酒飲みに糾弾された話
私は、比較的男の人と飲むことが多い。
それは、別に変な意味ではなく、女二人連れでいくにはすこしうくかな?
というテイストの店を好むから。
金曜の夜は、独特の解放感とけだるさに包まれて、
なんとも鬱陶しい空気が流れていて実はそんなに好きではないけど
飲みはしたいので、たまたま暇にしていたサッカー狂いをよびだした。
新潟出身のばりばりの営業マン。
サッカーのこととなれば、後ろから集団で襲いかかられるとか、
金属バットふりまわすとか、裏手呼び出し上等とか、
そんな人生を送りながら、気分が落ち込んでべたべたの恋愛小説よんで
気分をごまかしちゃうような肉食テイストな文系男子。
年下の男の子。メンクイ。あたまいい(不本意ながら)。
だらだらとたわいない話をしながら、何かの話の流れで糾弾された。
「お前はたしかに、いつだって俺の言って欲しいことを言ってくれるし、
それに救われる部分もある。だけど、お前は察しがいいだけで、
相手が言ってほしそうな言葉を言ってるだけで上っ面なんだ!すげえむかつく!
それよりも俺がお前にはらたってしかたないのが、てめえが自分に無関心なことだ!
平気そうな顔して傷つくってくんじゃねえ!」
「てめえの嫌いなところをもうひとついうなら、過程をすっ飛ばして答えを出すところだ!全然うれしくねえからな!」
なんか、めっちゃ怒られた。
君のそういう、ちょっと大げさなところ、私は大変に好ましく
おもっているよ。
35になったら、養えといわれたが、多分君は35までには
誰かしらを拾ってきてるとおもう。
27までには死ぬから、なんてほざいてた君が、35までには、
なんてちょっと数字を出してきたことが私には嬉しい。
こまったな、27までにはしねそうにないな、そのつもりでいきてきたから
これからどう生きてこうかな、なんて。
珍しく肩を落とした君の姿を私は笑って見ていたから。
大部、濃厚で原液のカルピスみたいな、
苦痛に近い甘さの飲み物を飲み込んで生きてきたような
苦しいんだか、楽しいんだかわからないような君の人生が。
もう少しつづくのを期待しているよ。
青年よ、けがなくいきろよ。
(はかないものとはかないものを合わせると大体美しい)