ツメが伸びるのはやいねん。

都会に住むトカイ子と、田舎に住むイナカ子が、都会砂漠と田舎沼をサバイバルする日記。

主役をはれない(師走序盤編)

師走が師走過ぎて何もする気が起きなかった。

みなさん、あけまして、おめでとう。

まあ、なんとなく日本は年度で3月締めだから1月が一年の

終りという感じがしない。どちらかというと、休戦の期間という感じ。

自分の神経にはかせているたっかいたっかいヒールを、最もすり減らすのが

1月、2月、3月という時期なのである。

この決して長いとは言えない休み期間にヒールを履かせなおし、

傾斜のきつい坂でも登れるようにしておかないといけない。

(とかい子はヒールの利点は坂が登りやすいことだと思っている。あれ、違う?)

 

さて、怒涛の12月を1つずつふりかえって見たい。

 

12月の序盤に「小噺教室」なるものをやった。

私はサポーターなので、せっせとテキストをつくるだけ。

部屋を抑えたりとか、イベントの告知はメインの方がやる。

当日の進行もメインの方がやる。

 

小噺をおしえる、というのは、大学のサークルが始まる4月にある、

最初のイベントだ。

まあ、大学のサークルの本気度と、

楽しもう!がメインのイベントでは、指導の主軸が違う。

次のモチベーションを形成すること

あ、こんな感じなんだ、私できるじゃん!という良いイメージをつくること。

つまり、新しい分野における肯定感を高めることを意識して、

すすめないといけない。

 

作成した冊子は、出来るだけ文章をすくなく。

とはいえ、豆知識的な要素は混ぜて読み物としては面白く。

落語をこれから見る人のガイド本にも成るように意識して作成した。

 

イベントの進行は、よくあるアイスブレイク

「声を出さずに誕生日順に並ぶ」

「ペアの相手を紹介する他己紹介

和気あいあいとした雰囲気をつくった後、

 

落語の形をなすために必要な最低限のポイントを実践。

めちゃくちゃ簡単な小噺を1つ。

メインの人の真似をしつつ覚えて、発表。

アドバイスをしあってブラッシュアップ。再度練習。発表

休憩を終えて、テキストの中に小噺を1つ選んでもらって練習。

 

問題はココからの個人の練習時間だった。

 

私は自分の特性を少なからず分っているつもりだ。

出過ぎず、雰囲気作りの上手いメインの方に進行をわたし、

振られたときにサポートをすればいい。

参加者のモチベーションをそいでしまわないよう、

あくまでサポート。・・・・・だったのに。

 

落語は、「芝居」ではない。「話芸」だ。

あくまで言葉で、その言葉を補うものとして表情、仕草がある。

音声だけでも絵が浮かぶ、それが落語だと思っている。

芝居は、お客さんに空間をみせる。「目の前の現象」そのものに

心を動かしてもらうものだ。

落語は「目の前の現象に」にインスピレーションを得て

「頭の中のイメージ」にこころを動かしてもらう。

空間ではなく、「空気感」を感じてもらうものだと思っている。

だが、これはわりと個人の解釈による。

おそらく、メインのひとは「動き」を通して心を動かす、

「芝居」に近い落語をする。

(先に言っておくが、メインの方の落語はとても面白い。

結局、面白いということが大事なのも事実だったりする。)

ので、「芝居」に近い落語の指導の形となる。

・・・もうね。あーそうじゃない、そうじゃないんだよなあー!!!

とか、え、いや、まあ、うん、とか。

心の中は大あらし。大あらしの中、個人練習に突入した。

 

 

つい、真剣に指導してしまう。いいね!とはいいつつ

もっとこうしたら、もっとこうしたら、と欲が出てしまう。

限られた時間の中で満足感を得てもらうことができなければ、

またやってみよう、とはならない。

のだが。どうにも、中に1人。

自分のやり方にこだわりすぎている、よくいえば、

「カッコよくやろうとしている」悪く言えば、「中途半端」

 

それは、お客さんに楽しんでもらおうという視点の無い態度だ。

もう、がちの指導を入れてしまった。

年齢が10も20も上の、男性に。

20そこそこの小娘にここまで言われるのは楽しくない記憶だろう。

これからも落語を楽しんでもらいたいのによくないことだ。

 

 

IDEOという会社の人事評価の1つに、

「どれだけ、他者を輝かせれうことができたか」というものがある。

www.ideo.com

 

その点でいえば、今回は、他者を楽しませることができなかった。

これからも楽しみたい、というモチベーションの形成ができなかった。

 

他者の存在を引き立てることができないのであれば、

私はぜったいに主役をはることができないな、と

寒空の下、苦虫をかみつぶした12月前半。