ツメが伸びるのはやいねん。

都会に住むトカイ子と、田舎に住むイナカ子が、都会砂漠と田舎沼をサバイバルする日記。

長ネギ 

今週は土曜日もちゃんと早起きした。

職場が異動したから頑張って靴とか服とか買ってきた。

でも、よく考えたらパンプスは既に持っている。

かかとを駄目にしてしまっているが、修理に出せばいい。

そもそも、ジャケットも3、4着持ってた。なんか行く先々で忘れてる。

今ぱっと数えたら、7着シャツだけである。ありすぎる気がする。

いる?こんなに。まあ、洗濯しなくていからいいのかもしれないけど。

 

というわけで、日曜日はしっかり朝寝坊した。

起きて、冷蔵庫を一掃しなければと中を整理していたら、

長ネギがでてきた。食べるのすっかり忘れてた。

もう、先端につぼみできてたし、なんか、あのナウシカに出てくる

腐海の植物みたいな花が咲いていた。

 

低温の暗室に一定期間以上閉じ込められて、

養分を取り入れるための根もなく。

そもそも、生きていくために必要な酸素も、二酸化炭素

十分な太陽も徹底的に奪われた環境でさえも

自らの人生の目的を達成している。

環境がこんなに悪いのに、それでも目的を達成できる能力を

ちゃんと有している植物ってすごい。

生まれながらにしてある程度環境に負けない力を持っている。

まあ、シンプルな目的だからかもしれないけれども。

 

暗室から出てきた、報われなかった長ネギ。

限られた水分を注いで実らせたつぼみと花。

固そうな表面の皮をむき、つぼみと花を包丁で切り落とした。

食べないわけにはいかない。なんだか生きる気力を得られる気がした。

けだるい日曜の昼。少し濃くし過ぎてしまったみそ汁に、

大きめに切った長ネギを投入する。

食べたらやっぱり、固い皮が口に残ってあんまりおいしくない。

そらそうだ。人生を完遂し、目的を達成した生き物だもの。

こちらがいくら捕食者であったとしても、人生の勝者はどうしたって長ネギだ。

道半ばの何物にもなれない私は、その一生の軌跡を感じるだけ。

そして、一生はあまくない。

まだまだ、エネルギーを残している生き物のの方が

おいしいに決まっている。

 

ねぎはでも子孫を残せてないじゃないか、と思うかもしれない。

もうだって、花が咲いた時点で種の人生だもの。

種をつくることが、元の植物の人生の目的だもの。

 

甘すぎたみそ汁。

炊きたてのご飯。惰性で作った野菜炒めと両面焼きにした目玉焼き。

 

両面焼きの目玉焼きは、元彼がつくってくれた。

それまでそんな焼き方をしたことがなくて、

たまに無性に食べたくなってしまう。けど、自分ではいつも上手くいかない。

 

どれもこれも、すこしずつ甘かったり薄かったし塩辛かったり。

味わい深い日曜の人生だな、と思った。

 

 

f:id:tsumehaya:20190513013757p:plain

新緑が美しい

 

 

お題「朝ごはん」