ツメが伸びるのはやいねん。

都会に住むトカイ子と、田舎に住むイナカ子が、都会砂漠と田舎沼をサバイバルする日記。

苦爪楽髪(伸縮性が試された夜)

とかい子の年齢は27歳で、20代の後半もいいところだ。

 もはや、30代手前といった方が、20代後半よりもしっくりくる。

自分がいい年なのだから、当然周りの人々も適度に年齢を重ねていく。

気づけばその人と初めて会った年齢を越えていたりして、

ああ、時は流れているのだなあとしみじみ思ったりするわけだ。

 

とかい子は前々から書いているように、ネットとリアルの出会いの

比率は半々くらいだ。

長い人だと初めて話してからすでに6年のお付き合いになる方もいる。

そのうちの一人に「先輩」がいる。

この称号は便利で、ネットで本名を明かす人もあまりいないから、

年上の人はすべからく先輩と呼んでいた。

先輩は、愛知県の人で、自身のことを「変われない人」だという。

好きなものや持つものが変わっても、趣味がいくら変わっても、

本質的な変化を遂げることができない。

人生において大切なことは「我ただ足るをしる」だという。

成長がなにか、というのは難しいが、ただ伸びていくことだけが

幸せになることでもないだろう。日本語とは便利で「成熟」という

概念もあるわけだ。もちろん、適切な管理がなければ、すぐにでも、

「腐って」しまうわけだが。長い年月をかけて、適切な管理をされてきたそれは、新しくみずみずしいだけではない魅力がある。

先輩は、成熟した人だと私は思っている。

 

そんな先輩は、もれなく、自由気ままな独身街道を謳歌中だ。

背丈もあって、収入も安定していて、車とバイクと自転車と天体観測と

旅行と、フォークソングと落語が好きで、

一人でもみんなでもそれなりに楽しめる。

そんな先輩の伸び縮みするところが久々に伸びたらしい。

元カノと素敵な夜を過ごした以来話を聞いてないから、三年ぶり?くらいでは

ないか?

 

自転車仲間の彼女さんが、同居中の彼氏の家を飛び出して、

そのまま会いにきたとのこと。まるで2ちゃんねるからでてきたような

しょーもない男らしいので、とっとと分かれてしまえ、そんなくず、と

その判断には全面同意。

で、夜勤明けの先輩はやけ酒に付き合い。つぶれた彼女を実家まで送り届ける。

・・・起きない。時刻は朝4時。もはや朝。夜勤明け、ほぼ2轍。

 

「このまま起きないんなら、眠いから、俺、自分の家に帰るからね。」

 

と、何度も言い。もういい、帰る。とおうちに帰宅。

さすがに車に放置しとくわけにも行かないので、自宅へ連れ帰る。

服を着替えさせて、その辺で寝ると言い出すかなーと寝袋を探していたら、

おとなしく後ろをついてきたらしい。だからそのまま進んだ。

そんなに広い部屋なわけもなく、あっさりとベットに到着してしまったらしい。

「・・・・しらないよ?」

「ゴムはあります。」

 

辛抱できんよねーと6つほど年下の彼女と久々に本能の見せつけあいを

されたらしい。

とはいえ。夜勤明けで、彼女も別れているんだか別れてないんだか

正直よくわからないし、むき出しの本能、とまではならず控えめに終わったそうなんだけれど。

なんだったら、行為の主目的は果たせず、オプションで終わってしまったんだとか。

 

「あんだけ首筋で気持ちよくなれるなんていいよねー」

 

常々、自分は表面を堪能したい派だから!と公言しているから、

まあ、それはそれで楽しかったんだろう。

今週末にスーツ姿を見たい、とせがまれたそうで。

スーツプレイね、次回報告も楽しみだ。

先輩の中に、他者の存在を必要とする気持ちが果たしてあるのか、

大変に疑問だったりはするんだけれども。

結構あれだな 、男遊びしなれてる女の子とかの方が相性いいと思うんだよね。

真剣になるとちょっとだけつらいかもしれない。

 

相手の女の子の中に先輩はどんな位置づけなんだろうか。

私はとても情に流されやすいから、好きになると、無意識の中に

相手が位置付けられる。

本当に意図せずして相手の名を呼んでいる。

好きなその人と違う相手と買い物をしているのに、

好きな人の名前で、その相手を読んだりとか。

電車の待ち時間とか。信号を渡ってるときとか。

坂道を登りきったとき、とか。

 

愛ってたぶん、見つけるものなんだろう。

育むというよりは思い出すもの。そうやって、本当に無意識のうちに

相手を呼ぶたびに思ってしまったり。

 

さて、仕事しなきゃ。