ツメが伸びるのはやいねん。

都会に住むトカイ子と、田舎に住むイナカ子が、都会砂漠と田舎沼をサバイバルする日記。

ひさかたの 雨の降る日をただ独り

 

昨日、飲み友達の顔を見に22時ごろ新宿3丁目に繰り出した。

転職先の営業方法に頑張って慣れようとしている飲み友達。もともと

現場で話をまとめてくること、一貫して自分の範囲に物事を収めることに

長けた友人だから、組織体でうごき、誰かの方針に沿うというプロセスが

どうにも性分に合わないらしい。

パワポ作成の手伝いくらいしかできないが、はよ仕事が面白くなるといいね。

 

連れてってくれたのは、友人行きつけのロックバー。

度々彼の会話に登場してくるそのバーに、あれ、私入っていいのかなあと

戸惑った。そういう、自分の内心に近い場所っていくつかあると思う。

不可侵領域というか、自分にとって特別な場所というか。

自分のためだけの場所というか。

 

私は、そういう場所になりそうな店があっても結局おもてなしの

ために使ってしまったりして、完全に自分のための場所になり切れない。

没落する場所というか。そういうわけで結局、人気のない公園とか

川沿いとか海の見える公園とか、そんなところでぼやあっと

アルコール握りしめている。

友人にとって、新宿のそのバーはたぶん自分のためにある数少ない場で。

そういう所に知人の気配が残ってしまっていいのか戸惑ったし、

もう自分のために残すつもりはないのかもしれないなんて、

一抹の不安を感じたのも実はある。

 

適当につくって、とキープボトルのバーボン。焼酎は自分もよくボトルを

入れていたからやり方は分かるが、バーボンはやったことがなく、

割合とか分からない。バーボンを先にいれたらいいのかな。

薄く薄くつくったソーダ割り。銘柄詳しくないけどおいしい。 

 

タブレットと紙が渡される。

指定されたフォルダを開くとアルファベット順に大量の曲が並べられている。

そこから自分が流してほしい曲選び、紙に書いて破って渡す。

最初からかかっていたのは、ビートルズ

そんなに熱心に聞いていたわけではないが、仕事をしている父の職場から

時折聞こえてきていたために、だいたいどれも口ずさめる。

胸に痛いほどの爆音で氷の解ける音も聞こえず。

合間合間に友人の愚痴に耳を傾ける。本人のスキルも上がっているが、

仕事自体のレベル感も上がっているため、評価としては低くなっているのかな、

と思う。何より、お客さんではなく、今は目前の上司に目が行っているのが

大きいのだろう。

まあ、一年生なのだから、スキルが追いつきさえすれば君は大丈夫だ。 

 

本当は、友人がリクエストしていた曲も書き留めておきたかったけど、

さすがに一晩明けるとわからんな。。。

ブルーハーツ ラインを越えて、くらいしか覚えてない。

大半は酔っぱらった友人が口ずさむ曲ばかりなので初めてきくのは

なかったのだけれども。

タブレットの使い方、リストの構成がわかって、ちょっとばかりルールも

わかったので、見よう見まねで私もリクエストしてみる。

 

吉田拓郎

ビートルズが教えてくれた

(お店がビートルズばっかりだったからね。) 

ペニーレーンでバーボンを

(いたのは新宿だけどね。ペニーレーンは原宿だし。

そしたら、マスターがペニーレーンはもう行かないを返してくれた。)

 

竹原ビストル

カウント10

(これは友人へ。んで、私へも。)

確かに誰に頼んで鳴らしてもらったゴングじゃない。例えば季節のように、いつの間にか始まっていた戦いなのかもしれない。 しかも運やら縁やら才能やらといったふわついた、しかし、絶対的に強大な事柄がどこまでも付き纏う、 ちっともフェアじゃない戦いなのかもしれない。 だからと言って、不貞腐れて、もがきもせず、あがきもせず、 例えば季節のように、いつの間にか終わるのだけはまっぴらごめんなんだ。
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 そしたら頭脳警察のふざけんじゃねえよが返ってきた。

どっちなんだろうなあ、なんて。

 

その前の週末には、飲み友達のパワポ作成を手伝っていた。

何かと日曜日に用事があるというので、土曜日の夜から日曜にかけて

はっぱをかけ続けての徹夜作業。

団体を引退するという友人の友人の試合にもいきたいとのことで、

どうにか間に合わせたいなあと思っていたのに、今いち私の体力が続かず。

まあ、本人もやり切ってない状態でなんか行きたくないだろうから仕方ないんだけど

結局試合終わりにつく時間にしか送り出せなかったが

でも、ちゃんと会えたらしいからよかった。

 

「所属は違っても同い年で、愚痴とか言い合ってたんだけど、

これから会う回数は少なくなるんだろうなって。悲しくなった。」

 

こういうとき、うかつにものを言うと、知ったような口をきくなって、

怒られるってわかってるんだけど。君のさみしいは本当にさみしそうで、

ごめんよ、私、まだ黙ってそれを受け取るだけってのができなくてだな。

ごめんね。

 

私たちは、何かの共通点があるわけじゃないから、どこに行けば会えるとか、

何かのイベントで鉢合うなんてことはこの先たぶんない。

互いが互いの意思をもって会おうとしなければ会えないし、

どっちらかが拒否してしまったらそこで終わってしまう。

間に入る人もいないし、SNSも知らない。探せば出てきそうだけどね。

けど、君は、言外に語ることの方が多いから、

結局言葉からじゃわからないことが多いし。

 

記念にバーでもらった紙をもって帰ろうかと思ったけど、

ま!そういうこと!なんて、走り書いたそれは手元に置いておくのも違うか、

と、手癖で紙飛行機にしてそのバーに置いていく。

ポイって捨てられると思うけど、カウンターに紙飛行機が置かれてる

光景はいい感じだったからしばらく脳内に残ってる気がする。

 

気づけばボトルはあいて追加でもう一本入れていた。

名前のよこに5と書かれたラベルが貼られる。

なんだかね、その数字がカウントダウンのように見えて、ぐっとさみしくなったよ。

 

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