ツメが伸びるのはやいねん。

都会に住むトカイ子と、田舎に住むイナカ子が、都会砂漠と田舎沼をサバイバルする日記。

友人に向けて(仮)

 27はロックの鬼門だと言うのはあなたが二人めです。

 今、あなたの嫌いな夏の名残がある太陽のしたで文字を書いています。

 

わたしとあなたの関係性はなんなのでしょうね。

友達とよぶのは少し照れくさい気もします。

飲み仲間、飲み友達と言っていますが、

それにしては私のお酒への愛が足りないし、腐れ縁と呼べるほど

月日は流れていません。

関係性を名づけられそうにないので、互いの話し相手とでもよんでおきますか。

これは、私から私の話し相手におくる最初の■■です。
はじまりは、やはり、こうでしょう。

 

あなたとの思い出に、ろくなものはありません。

 

こちらのセリフだと思っているかもしれませんが、きっとあなたなら、

この滑り出しを気に入ってくれると思います。

私があなたを知ったとき、あなたはすでに様々なことを手放したあとで、

手のなかに残ったものを握りしめもせず

ただ日のあたるところにおいてなおかつ自分の影さえも落ちないよう、

そっと薄闇にいるような感じでした。

  

 私たちの間にあるのは思いつきとアルコール。

そのせいで共通の記憶は少なく、一緒にいてもどちらかしか

覚えていないというパターンがほとんどで、本当に瞬間の関係性。

まあでも、互いの関係性を書くのは違うと思うので、

ただただ、あなたのことを書こうと思います。

 

あなたとの思い出らしきものをならべてみますが、どれも抽象的です。 

ポケットの小瓶の中身が震える音、

思いの外きちんと手入れされたスーツ、その血に流し込むオレンジと青、

読みかけの小説、攻撃的な悲しみ、シーシャの甘い香り、

暗闇で息するたばこのともしび、時にわがままと呼ぶギターの音、

いつも少しずつずれているチューニング、大切にしている名前

 

あなたは不本意だったかもしれませんが、

夜中に送られてくる純度の高い日本語や、

誰とも分かち合えない感情の片りんは、

大変に共鳴度が高く、でも、わかるよとは決して言ってはいけない

思ったので、そっか、とかしか返せなくて。

あ、今、その割にはいつもごちゃごちゃ言うよな、居丈高に、

と思われた気がします。それはごめん。

最近は送られなくなってきたので、心が安定しているのでしょうか。

それならそれでよいです。 

 

思うがままにいきることを、声高に自己を主張することを、

主張できる程度には矜持をもつこと。

あなたが話してくれる思い出話や、人生論は私にとっては実に

耳に痛いものばかりで、いつも圧倒されそうになります。

 

そして、その話を聞くたびに、

あなたはいつも誰かに変わらないでいてくれてよかったと

言われているのかなと思ったりしています。

もしそうだとしたら、どんな言葉を飲み込んだのでしょうか。

 

難しいですね、あなたについて書こうとしているのに主語は私に

なりがちです。まあ、仕方ないか。

 

一言伝えたい感謝があります。

 

 あなたは私に、「ほんと、あんたは自分のことはなさないよな」と

言います。ちょっとしたくだらないトラウマがありまして。

私は一度、自分の内面的な話をつらつらとしていたとき、

「大袈裟なんだね」と、相手に言われたことがあります。

本人は、一生懸命に自分が感じたことを話していただけのつもりでした。

そして、その言葉は私が当時とても好きだった人から言われたりするわけで。


それ以来、自分のことをあまり人に言わなくなりました。

わかってもらえないことよりも、

あきれられるよりも誇張だと言われることが怖かったからです。
でも、何気ない会話のなか、あなたは言ってくれました。

 

「人生は大袈裟なものだろう。」

 

まじで救われました。大げさじゃなくても救世主。

心がほぐれるとは、こういう感覚をいうのかと確かに何かが

溶けて消えて、いっそ衝撃的でした。本当にありがとう。

どんな思いであなたはその言葉を私にほおってくれたんでしょうか。

覚えていないとは思いますが、そのうち聞かせてください。

  

あなたの欲しいものが何なのか、私には皆目分かりません。

だから当然、私ができることも分かりません。

これからも分かることはないのだと思います。

なので、せめて私は、私のために

あなたにおもしろがられるような自分でありたいと思います。

変わらない部分を持ちつづけていれば、あなたはもう少しくらいは私と

遊んでくれるでしょうか。

それが少しくらいは、何かあなたに返したことになるでしょうか。

 

あなたに堂々と語れるような過去を私は持っていません。

全力であれ、と言い聞かせる日々を取り急ぎ送り続けていれば、

それが思い出と呼べるようなものになったころまで、話し相手で

居続けれていれば、その時はめちゃめちゃ自分語りできるかもしれないと

思ったりします。  

 

不本意ながらいつの間にか聞いてる音楽も本も

あなたの影響を受けているようで、自分でみつけた!と思っていて、

気に入ったなーと思った音楽も

過去のあなたの文章のタイトルになってたりして、ちょっとだけ

悔しい気持ちになりました。

ただ、あなたが好きなものの幅が広いだけだと思いますが。

 

勝手に人の人生使って満足すんなと、ぶちぎれている様子が浮かびますが、

これは■■です。言われっぱなしなのです。

だから言い返さないでください。ただ黙って言われていればいいのです。

 

やはり私とあなたですから先のことなんてわかりません。

過去も未来もなんもなくて、今この瞬間ですら、

当たり前に連絡をできる仲のままなのかもわかりません。

これまでも、少なくとも嫌われてないなと思ってましたが。

最近は見透かされ具合がやばいのでちょっと自信がありません。

 

そもそも、私たちの関係は互いが互いの一番に遠いところにいるからこそ

成り立つ関係でもあります。

そういう意味では、とても良い出会い方をしましたね。

 

あなたは肯定なんて望んでいないでしょう。

本当は、正面切って罵倒して引きずって戻してほしいのでしょう。

他人任せで申しわけないですが、それができるだれかと

出会ってほしいと思っています。 

私の同意も共感も薄っぺらいと踏みつけられそうですからね。

でも、本当に私はあなたと過ごすことを楽しんでいたんだって

その部分はできたら信じてもらいたい。

音楽の話も小説の話しも、しょうもない企画案を考える

私の話を聞いてくれることも、いろんなお店を教えてくれることも、

そのお店との関係性を教えてくれることも、

知り合いがほとんどいなかった東京に私が多少なじんでいるとしたら

それは間違いなくあなたのおかげです。

  

これが最後の■■にならないでほしいと願っています。
2回目の■■は、あなたが誰かの隣に死ぬまでいると

決めたときに送りたいからです
3回目は今少し幸せかもしれないとしかめっ面したときにでも送ります。

 

あなたにはこれからも、最大限あなたであろうとした頃の

あなたの罵声をきき、

さらには、物言いたげな死に顔をさらしている

26のあなたを見下ろしながら、生きていっていただきたいのです。

イカレタやつにもぶっ飛んだやつにも、

どちらにもなりきれなかったとしても、あなたを全うしていただけたらなと。

 

あなたをどんな人と表現したらいいのかなと、

優しい人とも違うしなと思っていました。

でもやはり優しい以外表す言葉を私は持てそうにありません。

そこにまっすぐな、も付け加えておきたいと思います。

荒くれ物はあらくれもので、寒がりはさむがりで

それぞれがそれぞれらしくできないことに真剣にいらだって

声を荒げることに躊躇しない。

痛々しいほどのまっすぐさだなと思うわけです。

あなたが生きにくいのは、きっと、寒がりだというくせに

暑がりのふりをする嘘つきが多いからでしょうか。

いきたいところにいってください。

 

肯定しかできないのは私の弱さで、エゴで、甘さなので、

なんとか、あなたを引き留めることに躊躇しない自分になれれば

いいなと、間に合えばいいなと思っています。

あ、また自分語りだ、許してください。

 

もう他人の人生背負えないからってただ優しいだけのお前が嫌いだと

言われてしまうようになりましたが、

そうは言っても

どんな結論であれ、どんな経過であれ、

私はあなたの選択そのものを信じます。

あなたが選んだのだというその事実を信じたいと思っています。

一応、遺言まがいの言葉は受け取りますし、ちゃんと果たすつもりです。

やり方は任されているという理解ですが。

 

いやなかおをしているでしょうか。
そもそもここまで読んでくれてないかもしれません。
それでもいいのです。 

 

これまでありがとう。

それから、ハッピーバースデー

 

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