忘れえぬ夢、というのがいくつかあります。
何度か見る夢であり、ときおり思い出す夢であり。
満月が近くなったからでしょうか、先輩の夢を見ました。
以前はよく月の写真を送ってくれていたことを、思い出します。
月の土地を誕生日に送ったことを、寒空に浮かぶ月が思い出させます。
夢の中で先輩は、また、あちこちでかけるのだと言っていました。
理由を尋ねると、彼女が行きたいというから、と。
夢ですから、どんな表情をしていたかまではわかりませんが、
少し心配になって、そばに行こうとしたところで目が覚めてしまいました。
後悔ないほど、遊び尽くしたことは、間違いないでしょう。
そんな先輩の話を聞くのが大好きでしたし、
面白がられる自分でありたい、いつか道が交差するような、
面白い歩き方をしたい、しようと、今でも思っています。
月がきれいな晩ですが、今でも空は眺めているでしょうか。
寒空に椅子を広げて枕もって毛布にくるまって
三脚を立てているでしょうか。
少し感傷的になってしまいます、夢見のせいですが。
今も変わりません。
変わらないままの先輩で、どうぞ、幸せになってください。
何かに鈍感になることもなく、何かをあきらめることなく。
変わらないまま、幸せになってください。
ただ静かに月に祈ります。