ツメが伸びるのはやいねん。

都会に住むトカイ子と、田舎に住むイナカ子が、都会砂漠と田舎沼をサバイバルする日記。

ホストに本を選んでもらったら思いのほか心に刺さった

歌舞伎町ブックセンターという場所がある。

ここには愛にまつわる沢山の本が置いてあり、なんと現役ホストさんたちに本を選んでもらえるのだ。

ホストさん・・・?💖ということで行ってきましたイナカ子。

 

本棚はピンク、赤、黒の三つのゾーンに分かれていて、それぞれピュア愛、情熱愛、ドロドロ愛らしい。

もちろん黒ゾーンから本を選んでもらう。

 

とはいえ、ホストクラブとは違うので、カフェに行くような気分で、気軽に立ち寄ることができる。

カフェメニューや軽食メニューも充実しているので、何時間でも居座ってしまいそう。

 

 

丁寧にわたしの話を聞いてくれ、小池徹平似のホストさんがわたしに何冊かオススメしてくれうち、購入したのがこれ。

 

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「ドキドキするような話ではないけど、後からじんわり響いてくる話」と、そのホストさんは言っていた。

 

その次の日、私は当時東京に住んでいた彼氏にフラれて泣きながら新幹線に乗るのだが、これはまるでそれを予知していたかのような本だった。

 

「生きて苦労するのは見ていられても、死ぬことは放っておけないんでしょうか 」

 

「罪を知らぬ者だけが人を裁く。罪を知った者は決して人を裁かない」

 

 

 

「世間からはみだし、世間から疎まれ嫌われ、憎まれたり軽侮されたりする者たちは、むしろ正気で気の弱い、善良ではあるが才知に欠けた人間が多い」

 

物語は淡々と進む。

登場する人物の一人一人、それに対峙する赤髭や保本の様子、どれ一つ取っても複雑で繊細、そしてときたまドキリとさせられる一文と出会う。

山本周五郎の文章は決して派手ではないのだが、描かれる人物の人生がどれも悲しく温かに伝わってくる。

登場人物の口を使って山本周五郎自身が訴えかけているのだろう内容も、イナカ子自身がモヤモヤ考え、あと一歩のところでたどり着けないでいた答えに導いてくれるものだった。

 

あらすじ

保本登はいわゆる医者の卵のエリートで、出世の道が目前に見えていた。ところが田舎の小さな養生所で一時勤務することになる。不服のまま勤める保本登は、赤髭と呼ばれる医長の元で働くうちに、少しずつ変わり始める。

 

 

 

 

・・・え!?

 

 今週のお題「読書の秋」