移りゆくのは我が身なりけり
東京で。
初めてできたお友達は、帰り道にある遅くまで
あいている中華食堂のマスターだった。
なんでも食べたいものいっていいよと、
笑ってくれれるのがうれしかった。
ここ最近忙しくて行けてなかった。
ふと今日、その店の前を通った。
休業していた。
着物をくれたおばさんが営んでいた銭湯もしまった。
寄席を見に行った帰りに1人たどり着いた浅草の
銭湯。ここも閉店した。
私が出会った、東京はどんどんかわっていく
初めて住んだまちの近くの商店街にはどうせ5年以内に撤退するだろう、
タピオカ屋さんが入っていた。
元の場所には確か、時計屋さんか何かがあったような気がする。
昔、一緒に熊本を歩いたとき、あの人が言っていた。
東京で、コンビニが変わってても、つぶれてても
なんとも思わないけど、ここでお店がしまってたら
本当にさみしくなるねって。
その時は、そんなもんなんだなって聞き流してたけど、
今ならわかるよ、本当にそうだなって。
好景気が続くまちと、5年以内に閉店する店舗の数には
明確な相関が見てとれる。
当然、もう一つ新規開店の相関がないといけないけれど。
だから、ここはずっと発展して、生きている町なんだろう。
生きてるって、なくすってことだったんだっけなあなんて、
いつまでたっても使いこなせそうにないまちの風景を眺めた。