なあ、東京タワーみにいかね?
金曜の夜、20時ごろ。
なんとなく、会社を上がろうとしていた私に届いた通知。
東京タワー、みにいかね?
ん?なんだ私告白でもされんのかな。そもそも、私、職場が東京タワーの近くだからほぼ毎日みてたりして。
まあ、いいんだけど。
相変わらず、事前に約束をとりつけるような、未来を楽しみにする高尚な思考は
持ち合わせていないから、この瞬間をそこそこ楽しむ。
コンビニでちょっといいビールとウィスキーの小瓶を買って
ふらふらと東京タワーに向かう。
ぼんやーりと、下から暗闇に浮かぶ東京タワーを見上げる。
「当時の日本の誇りになるような建物を。美しさと品位のある形にしてほしい」
とつくられた東京タワー。
当時の日本のとび職の技術をあつめて建てられた建物。
地デジ化に伴い、そのメインとなる役割を終え、今はラジオ塔と観光名所としての
第二の人生を歩んでいる。
のぼるか?と問われる。
別にいいよ、と答えると、でもあのちょっと傾斜ついてるところの
足がかりに自信がないなあ。。。。
外側登るつもりか、お前は。そのまま登って二度とおりてくんな。
内装工事を終えており、全面的にリニューアルされたと聞いている。
一番うえまで行かなきゃ意味ないだろ!と主張するので
チケット2800円も払った。
値段、スカイツリーと同じなんだけど。まじかい。
通天閣登ったときもそうだが、写真とりますよーのあのサービス、
やめてほしい。絶対、ぜったい、こいつとなんか写真は取らん。
ガラス張りにリニューアルれた展望台をめぐる。
平面の夜景なので、正直そんなに好きではない。
長崎の方がそれについてはよい。夜景のきれいさは色みだ。関東の色み、
赤と白しかないんだもん。
んで、なんで東京タワーなのさ、と尋ねると。
いや、俺が負けた町を上から見下ろしてやろうとおもって。
。。。。。あっそうですか。
小説の一場面にもあったな、こんなシーン。
確か、そのときは、一緒にいかないか、と誘ったら断られて、
だから2人はいま一緒にいる、みたいなそんな流れだったような。
一通り眺めて、クレープを食べ。
朝までのむというその馬鹿を宅のみにしようと言いくるめて家に連れて帰り
寝かせて、朝ばいばいしてきた。
金曜のよる、東京タワーに呼び出されて、夜景見て、クレープ食べて
同じ家に帰るってなにこれ、デート?
だからね、男女が一緒にいたところで、起こす気がないとおこらないんだよな、
あらためて思った。
心地よいこの距離感がながなが続けばいいなあと思う、二日酔いの1人の朝。