ツメが伸びるのはやいねん。

都会に住むトカイ子と、田舎に住むイナカ子が、都会砂漠と田舎沼をサバイバルする日記。

ライブの感想※当日編

注意 こころに響きまくって大泣きしたライブの帰って、飲んで寝た次の日の朝に

書きあがっていた文章です。

 

Morohaというアーティストのライブに行ってきた
結果として歯を食いしばりすぎて唇きれてるし、握りしめすぎたせいで爪が刺さって手のこうがいたい
ジャンルを言えるほど音楽に詳しいわけではないから、ジャンルは知らない。
二人組でアコギとラップで構成されている。
自分たちの人生をえぐくえぐく表現する。リズムがあるわけではないから、歌というよりは、詩って感じ。

人によっては暑苦してくて苦手、みたいな人もいるかもしれない。

「誰かに教えてもらうのではなくて、ある日偶然に見つけてほしい音楽」

という紹介がとてもしっくりきているから、気になった人だけ見にいってほしい。
先にいっておくと、私はすべてのライブと称されるものでは大概泣いている。感情のキャパというのはある程度決まっていて、目の前のものを最大限取り込むには余白が必要で、だからなのかなんなのか、目の前の表現者に集中すると、大体なく。

映画も、路上ライブでも落語でも、大体泣いている。

だから、今回のライブもなくんだろうなあと思っていたし、それについては別にいいのだ。

だけど、こんなに直前まで行きたくないなあと思ったライブも久しぶりだった。
生で聞いてしまったら最後、いろんなものにがさっと決着つけたくなると思っていたからだ。あいまいなままにさせておいた現実のあれこれ、進まない理由にしていたもの、清算できなかった過去、なくすくらいなら引きずっておこうと思った関係性、見て見ぬふりをしている本当にやりたいこと。

そういったすべてをざくざくと切り開かれることはわかっていて、やっぱり開かれて、もうやだなあと思いながら、ステージをじっと見ていた。

「途中で君のこと投げ出すような根性なしの女ではなくて、強くて賢い女性をみつけて」

書いてる途中ですら泣きそうになるわ。せっかくぎりぎりのところの手を取ったのに、引き上げる力が足りなくて手を放してしまって、同じような言葉を何度心で祈るように唱えたか。女も男も関係なく、幾人かに思った願いは、ここでこうして音になった。

いうて、そんな大げさな人生は歩んできていない。特筆するようなつらいことがあったわけでもない。共有することさえはばかられるような、想像に及ばないつらい何かがあったわけではない。だから、不幸ぶるのは許さない。せめて笑え、泣くなら一人でなけ。

そう思って、ライブにはほとんど一人で行ったし、だいたいえぐえぐ泣いて、そのあとにこにこしていいものみたなあ、生きてるなあと思って帰る。

今回は、どうしてもにこにこできなかったから、人気のなさそうなところをてくてく歩いて、海でも見えないだろうかと感傷的になりながら、一人岩に腰かけて缶チューハイをあおっていた。どのみちこの状態で電車乗れないし。きっとまだ混んでるだろうし。

誰にも見つからないように、こそこそしてたのに、うっかり私を探そうとしてくれた誘いに乗っかってしまって、また自分の弱さに落ち込む。
いや、みつからんだろ、駅で待ち合わせだわ。と思って、少しだけ飲むスピードを上げて合流に向けてコンディション作ってたら、後ろからガサガサと近づいてきた。

「ただでさえ、人気のないところなんだから後ろから来るなよ、こえーな!」

とっさに笑い顔を作る。どうせなんもかんも見透かしてるだろうけど、とりあえず笑う。
私が泣いたら、人は私に言いたい放題言えなくなるから、私は泣かない。
なんでもかんでも、傷つける言葉でも重たい話でもとにかく何でも言える存在でありたいから、私は人の前では泣かない。

たまに、例外的に破ることはあるけど、できるだけ泣かない。

くっそ、こいつ絶対泣かせにきてんな。

何とか何とかごまかそうとするが、いかんせん酔ってないときのこいつは本当に他人のことを見ているし、何よりこいつ自身がずっとリスクをとって動いてきた事実を知っているからまともに言い返せない。
そもそも、私に放ってるつもりの言葉の3分の1くらいは自分にも刺さってるくせに。

「他人の人生しょっていく人生は、さぞお辛いようですね。」

るっさいな。

「そうやって、笑ってごまかして、結果的にうそつきなんじゃねえの」
わかってるってーの

「たまにはなけよー」
くっそ、思ってもないくせに。こうやれば、こいつは泣くなーをわかっててやってるだけのくせに。優しくなんかしなくていいんだ、頼むから、寄り添ったりしないでくれ。泣きたいときに人に頼ることに慣れたくはないんだ。

慣れてしまったら最後、そうじゃないときに立ち直れないくらい落ち込んでしまうから。

かろうじて自分に許してきたのは、そういうメンタルの時に人に電話をかけること。10分程度、それも久々に話すな、な相手に近況報告に混ぜてちょっと吐き出して終わりにしてきた。最近、ちょっとそれができてなくて、親しい友人に1時間くらい聞いてもらったりしてたけど。

泣きたいときほど、爪を立てて、刃物を自分に突きつけろ。

いたいのいたいの、どうか飛んでいくな。 

どこにもいくな、ずっとここにいろ、時間に解決なんかされんな。