ツメが伸びるのはやいねん。

都会に住むトカイ子と、田舎に住むイナカ子が、都会砂漠と田舎沼をサバイバルする日記。

長めの袖は役に立つ~倉敷-尾道編~

雨降りしきる倉敷の町、いわゆる美観地区にようやっと抜けまして、

この辺はもう観光地。

川に沿って生える柳に白壁通り、ほとんどが再建だとは思いますが、

美しい通りであることに変わりはなく。

人生で初めて人力車に乗ってみようかなーと値段聞いてみたら、六千円

。。。。。は、六千円!?ってなったのでやめました。

 

後は、再建した木造建築をみたりしつつ、一番良かったのが、音楽図書館

 

kuratoco.com

 

 紡績工場の社長が自身のコレクションを寄贈したことが発端となったこのと図書室には、音楽に関する書物のほか、多数のLPが保存されていて

さながらロックバーのごとく、曲名を書いてカウンターにもっていくと、

その曲を聞かせてくれる。

 

クラシックやオペラが当然のように多いのだが、ロックやフォークソングもあり、

吉田拓郎の爪だけ、聞かせてもらうことに。

柔らかなホワイトノイズの中に、糸を切るような針が落ちる音があって、

そこかライブバージョンの爪がかかる。

 

小雨が降り注ぐ、倉敷のまちであたたかな空間で温かみのある音を聞いて

じんわりとした充足感に包まれる。

 

ほうと、一息ついて、サクサクと次のまちへ。

結局飲んだのチャイだけだなー何て。

日照量日本一の岡山で、マジで曇り空しか見ていない。

 

駅に向かうと、何やら写真展をやっていた。

そういえば、やたら詩碑や漢詩の寄贈などが多かった。

ネコの分対策としてのストリートアートもあったりして、街中アート的なものが

昔から根強いのかもしれいない。

 

 

これだけの大きさで写真をみるとやはり迫力が違う。

久々に東京写真美術館にも行きたくなった。

 

3両連結の電車に揺られ、尾道へ。

空家再生プロジェクトを知ったときから憧れの町。

きたいと思ってから10年近い時間が流れたように思うが、ようやくこれた。

感慨深い。

 

 

斜面に張り付くように立ついえいえは、長崎を彷彿とさせる。

港町だし、町のつくりは似るのかもしれない。

 

 

 

900m程度しかない商店街を、あっちふらふら、こっちふらふらしながら

歩く。

 

 

小道は一つひとつ名称があり、その由来を小学生がまとめて調べたものが

あちこちに貼ってあった。敵の侵入を防ぐ役割もあったそうで、人ひとりがギリギリ通れるくらいの道が多いのだという。

 

隔週で絵をかいて、物語を完成させていく、という黒板アートがあったり

 

 

うどんと大きくありながら、うどんがない店があったり、

 

 

ゆっくりじっくり歩いて向かった先は、あこがれてやまないゲストハウス

あなごのねどこ

 


入口からもうたのしい。

 

昨今はやりの本屋×宿の走りってぜったいここだと思っている。

何年も前から、ずっとこんな感じ。

そして、漫画のラインナップはガロ系が多めだった。

すきなひとがいるのかな。。。?まあ、こういう機会にしか読まない漫画ではある。

 

雨の日の体育館のような、雨音が屋根にぶつかる音を聞きながら本を読める。

排水管を雨水が通っていく音を耳を当てて聞いた。

 

奥に設置されている本屋さんもまた素敵で、思わず感嘆の声が漏れた。

こう、特にほしいものがないんだけど、何かかいたい、と思う空間は、

小手先のデザインとかではない、人間性みたいな部分が必要なんだよな、と

テントの中のような雰囲気にあれこれと本を手に取る。

雨じゃなければ、このベンチに腰掛けて読書しても楽しかっただろうな。

 


港町には当然のごとく猫も多く、過疎地域は空家も多い。

斜面に立つ一軒の空家は、ネコの住処になっているようで、近づいてみると、

壊れた壁の間からひょこっと猫。

さらに近寄ると、こちらの様子を窺うように偵察組の猫が下りてきた。

いろんな柄の猫が多いから、捨て猫も一定数いるのかなと思いながら、

立ち去る。

 

 


海岸沿いには、倉庫を改装したショップが並ぶ。

もともと5つあった倉庫のうち、2番だけがのこったそう。

憧れのジャイアントの直営店もこちらです。

 

 

夜は、フラッとのみくして、ホテルへ。

炬燵に居合わせた図書館司書の方と、TSUTAYA図書館の話などを聞く。

国際共通の図書分類を無視した図書館なんて、とのことや、

学校における図書館の新しい役割なんかについて話を聞く。

 

たまたまご一緒した方の中に、堀米秀明さんという、尾道の空家再生等の

仕掛け人のとなる方がいた。年10回程度、ここに泊まっているとのこと。

この時は、あまり知らなくて、もったいないことをした。

 

https://www.hiwave.or.jp/wp-content/uploads/2016/11/2016.11.12.pdf

 

ふける夜、翌日のサイクリングに備えて寝なければならない。

ごそごそと布団にもぐりこみ、たたき落とされるよに睡魔に沈む。